東北旅の記録

毎年東北に行こうと思っているので、その変遷を書き連ねたいと思います。

【2018東北ツアー】4日目:4月5日(木)  

今日はまず元々の予定を変更して昨日いけなかった陸前高田に。

11:01 大船渡魚市場前駅発 → (大船渡戦BRT) → 11:32 陸前高田駅着

 

岩手県陸前高田市

陸前高田はものすごい大規模な嵩上げ工事をしています。

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昨日の記事で南三陸町志津川が道がコロコロ変わるだの、トラック・重機・土…だの書きましたが、正直陸前高田はそのレベルではありません。志津川はもちろん嵩上げ工事はたくさんしているのですが、中心部での復興商店街はオープンしています。一応街っぽい感じがあるわけです。それに対して陸前高田は、嵩上げが終わった陸前高田駅周辺に「アバッセたかた」というまあイオン的な商業施設が出来ましたが、だだっ広い沿岸平野部には本当に嵩上げ工事をしているところしかありません。陸前高田駅から「奇跡の一本松」まで歩くと工事による迂回路の影響で40分くらいかかるのですが、道中通っているのはほとんどトラックですし、道路の両側は土の山ですから埃っぽくて仕方ありません。居心地としては校庭レベルです。ちょっと様子を見ようと陸前高田駅で降りたのを後悔したほど(奇跡の一本松駅があります)。

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アバッセたかた

さて、話を戻すと、この陸前高田駅の周りには「アバッセたかた」と震災の追悼施設(慰霊碑・献花台)があります。逆にそれしかありません。今の陸前高田駅は3/31までは「まちなか陸前高田駅」で、「陸前高田駅」はそれまで市役所前にありました(現栃ヶ沢公園駅)。こんな感じでコロコロ運行状況が変わるし陸前高田の “観光スポット” は場所がバラバラのでBRTは非常に使いにくいです。

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追悼施設。陸前高田駅のすぐ横に建っています。
奇跡の一本松

陸前高田市といえばやはり「奇跡の一本松」ですね。

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大船渡戦BRT 奇跡の一本松駅から徒歩2分(陸前高田駅から徒歩35分)くらいのところに「一本松茶屋」があります。ここには3軒の飲食店と交流センター(観光事務所みたいなところ)、お土産店があります。ここから一本松まで徒歩10分くらい(いずれ公園に整備されて近くなるのでしょうが)なのでここに車を止めて、という感じなんだと思います。おそるべしモータリゼーション。一本松茶屋を見ていて思ったのは、だいぶ観光地化しているなぁと。あくまで震災語り部ツアーの一環で見るとか、周辺を整備するとかならわかるんですが、喫茶店で「一本松名物!醤油ソフト」とか、お土産店を作ってそこで「奇跡の一本松バウムクーヘン」とか売られちゃうと、どうなんだろうなぁと思ってしまいます。街を復興して商業で観光客を呼び込むとかはわかるんですが…難しいところです。

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別に見にくるのが悪いと言いたいわけではないのですよ。むしろ見に来るべき。

まあそれは置いといて、奇跡の一本松を見に行きます。奇跡の一本松は知ってると思いますが高田松原にたくさん生えていた松の木のうち唯一津波で残った松、だから奇跡、ってことです。とはいえこの一本松は海水の影響で枯死し、いま残っているものは保存作業(幹の補強や葉の付け替え)が行われたものです(なのでちゃんと避雷針までついていました。うーん)。まあ実際に見てみると映像で見るよりも大きく、逞しいなぁと思うような気がします。

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ね?避雷針。(右)

ただ、僕が気になったのは一本松よりもその奥に残っていた陸前高田ユースホステルでした。

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これもいわゆる震災遺構。津波の被害を受けた状態のほぼそのままで残されています。仙台の荒浜小学校と違って立ち入ることはできませんが、荒浜小よりも津波の威力がわかりやすいと思います。

 

震災遺構といえば、陸前高田には震災遺構とされるものが全部で4つあるようです(1自治体1つルールはどこ行ったんでしょう、今度聞いてみます)。ユースホステル道の駅高田松原(タピック45)、陸前高田市立気仙中学校、雇用促進住宅陸前高田宿舎。

気仙中学校は気仙川を挟んで一本松の近くから見ることができました。

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気仙中学校

道の駅高田松原(タピック45)は目の前まで行けたのですが工事中で案内板が読める距離まで近づけませんでした。その上、

また、旧道の駅高田松原「タピック45」前には、震災時の様子や復旧・復興状況について展示した「復興まちづくり情報館」を設置しています。併せてお立ち寄りください。

陸前高田市のHPに書いてありましたがありそうな気配もなく…。

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タピック45

雇用促進住宅はBRT車内から。

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写真右がそれです(うまく撮れなかった)

陸前高田は見るものも多いですが復興がまだまだ全然進んでいない印象でした。この後の南三陸や女川、大船渡と比べてもその差は歴然のように思えました。まあ陸前高田は被害範囲が広いからというのもあると思いますが…

 

岩手県大船渡市

13:35 奇跡の一本松駅発 → (JR大船渡線BRT) → 14:22 大船渡駅

実は今日は朝一本BRTを逃してしまい、その時間で大船渡魚市場をちょっとだけ見ました。市場は今日はほとんど動いていませんでしたが、魚市場についての展示があったりレストランもあったり展望デッキもあったりで綺麗だしなかなか楽しめるのではないかと思います。

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展望デッキから大船渡の海を望む…

改めて大船渡の町ですが、駅前は3年前と比べて見違えるほど発展していました。確か3年前は空き地ばかりでBRTもただのバス停でプレハブの「おおふなと夢商店街」と「大船渡屋台村」があるだけだった…。昨日行った寿司屋の大将も「この辺が一番復興が進んでるかもね」とおっしゃっていました。でもここ1、2年のことらしいですが。

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大船渡駅

「大船渡屋台村」は今はなく、「おおふなと夢商店街」は整備されてまだオープンしていました。ですが大船渡の商業施設のメインは「キャッセン大船渡」という施設。計7棟からなる巨大なエリアには、飲食店、雑貨店…なんならドトールソフトバンクショップまでありました。キャッセンの周りにはホテルが2軒、ドラッグストアや戸建飲食店(魚民や幸楽苑などのチェーン店も)が並んでいました。栄えている…びっくりです。3年も経つとここまで変わるのかと。やはり来て見ないとわからないものです。

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おおふなと夢商店街
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キャッセン大船渡
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いろんなお店に、ドトールまで!

3年前に「かもめの玉子」を製造している「さいとう製菓」さんを取材しました。その本店が当時は大船渡と盛の間にあったのですが、移転して大船渡駅前に大きな店舗「かもめテラス」をオープンしていました。これもびっくり。さいとうだけでなくパン屋や和菓子屋も入り、イートインスペースもありました。

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かもめテラス

ただ、大船渡の町もまだ復興途中です。巨大な防波堤を建設しているのですがそれも途中ですし、やはり駅からちょっと離れると空き地が目立ちます。

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防波堤建設中。大船渡の海沿いはこれに囲まれています。

復興というのは厳しいですね。

 

三陸鉄道に乗る

15:23 大船渡駅着 → (JR大船渡戦BRT) → 15:27 盛駅

盛駅から北上。ついに三陸鉄道初乗車です。

三陸鉄道のことは震災当時から気になっていて(3/16には一部ですが運転再開してニュースになってましたから)、それに加え連続テレビ小説あまちゃん」ファンですからずっと乗りたかったんです。ほんとは北リアス線宮古-久慈)に乗りたいのですがこれは旧山田線区間(釜石-宮古)が開業する来年の春を待ちたいと思います。

三陸鉄道にはクウェートからの寄付で製造した新型車両が何台かあります。今日乗ったのもその車両。綺麗です。

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駅舎内には「あまちゃん」でも登場した「お座敷列車」などのイベント列車の告知がたくさん。途中景観がいいところで減速・アナウンスが入るなどいかにも「第三セクター」という感じ。ま、半分以上トンネルなんですが。

15:45 盛駅発 → (三陸鉄道南リアス線) → 16:37 釜石駅着

そんなこんなで釜石に。もともと釜石から自転車で山田線区間を見に行こうと思っていたのですが予定変更でパス。でも1時間も乗り換え時間があり、非常に困りました。駅の近くにはほとんど見るものもないので…。

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左:愛称が「イオンタウン」て… 右:釜石駅前・復興の鐘

17:43 釜石駅発 → (JR釜石線) → 20:38 盛岡着

盛岡に泊まります。

よくよく考えたら明日は盛岡を昼に出て宇都宮餃子を食べてつく頃にはほぼ終電なので書くことがありませんね。

何か思いついたら書きます。