阪神・淡路大震災 1.17のつどい
2020年1月17日。
1995年1月17日に発災した阪神・淡路大震災から25年が経ったそうです。
僕は当時まだ生まれていなかったので、「経ったそうです」としか言いようがないのですが。
さて、この春から大阪に引っ越しまして、
これを機会に、ずっと行ってみたかった「阪神・淡路大震災 1.17のつどい」に行くことにしました。というか、引っ越した時からそう決めていました。
「阪神・淡路大震災 1.17のつどい」は、神戸市中央区の東遊園地で毎年行われている追悼行事。
毎年1月17日にテレビに映るやつです。
上空からロウソクで描かれた「1.17」の文字が見えるやつ。
調べると、朝の5時46分だけでなく夕方の5時46分にも点灯・黙祷をするようで。
朝は始発に乗ってもその時間に着けないので、夕方に合わせて行くことにしました。
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神戸三宮駅を出て、南に進みます。
三宮センター街にはこんなものが。
様々なアーティストの絵が飾られているだけでなく、
道ゆく人がメッセージをかける場所もありました。
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東遊園地が近づくと(神戸市役所の前あたりまで来ると)、こんな看板が出てきます。
矢印の示すままに進みます。
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東遊園地に入ると、「シンサイミライノハナPROJECT」の花が迎えてくれます。
さらに進むと、すでに夕方の点灯が始まっている広場が。
まずは記帳・献花へ。
記帳すると、献花用の花を一輪いただけます。
すごい数の美しい白菊が一面にたむけられていました。
続いて、ロウソクへの点灯を。
近くにいるボランティアの方が、
竹筒に浮かべる用の丸いロウソクと点火用の細いロウソクを渡してくれます。
まだ火がついていない竹筒にロウソクを浮かべ、近くの火をもらって点火します。
本当にたくさんの人と、たくさんのボランティアの方と、そしてたくさんのメディアがいました。在阪テレビ局は全部複数台体制で来ていました。
それぞれのカメラが、それぞれの「祈り」の瞬間を収めています。
ボランティアは、昔からやってらっしゃるんだろうな、という方もいれば、地元の高校生もいました。
僕も来年参加できたらいいのですが。
そして、親に連れられた小さい子どもたちや僕と同世代の若者といった、震災を実際に経験していない世代から、大人、おじいちゃんおばあちゃんまで、様々な理由で集まった人たちが、一斉に祈りを捧げます。
午後5時46分、時報の音に合わせて、黙祷。
実は、僕自身、最初は来るかどうか迷っていました。
1995年には生まれていなかったし、
身内に被災者がいるわけでもないし、
関西の人間でもないし。
ただただ「一度実際に行って、祈ってみたい」というだけの、
興味本位の人間が行っていいものなのか。
でも、ロウソクを受け取るときに「初めてきたんですよ」と少しだけ身の上を話すと、「来てくれてありがとう」と。
25年も経って、どんどん知っている世代が減っている今。
阪神・淡路大震災の発災日をきいたら、何人の友人が正しく答えられるのだろうか。
やはり、若い人が、少しでも関心を持ってくれることが大切なんだそうです。
だから、来て、一緒にロウソクに火を灯して、祈ってくれるのはありがたいと。
気づけば、黙祷をしながら少しだけ泣きそうになっていました。
周りの方は皆、当時のことを、当時の悲しみを、当時の苦しみを、思い出していました。
そして、亡くなった全ての方へ、祈りを捧げていました。
その祈りは、ロウソクから放たれ続ける大量の煤のように、
東遊園地の広場全体を包み込み、
空へと昇っていきました。
「祈ること」の尊さに、改めて気づかされました。
東遊園地から神戸三宮駅への帰り道。
北へ向かうと、六甲山にも「KOBE 1.17」の文字が。
25年も経って、
街もとてもそんなことがあったとは思えないほど綺麗で、
日常の1月17日なのだけど、
みんながどこかでちょっと思い出してるのではないか。
そんな神戸でした。
絶対に来年も、今度は朝5時に来てみようと、そう思います。
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その足で、十三のシアターセブンに向かい、
『その街のこども』の上映を観ました。
数年前。
深夜にNHK総合を点けたら『その街のこども』の再放送がやっていて、
「とんでもない作品を見つけてしまった」という気持ちになったのでした。
それから、今ではDVDを持っていて、今回で5回目の鑑賞でしたが、やはりいいです。
井上剛監督の抜群の演出、大友良英さんの抜群の音楽。『あまちゃん』タッグ。
災害を描かせたらこんなに最高なタッグはいないな、って感じです。
素晴らしい作品です。今年こそ再放送して欲しかったな。
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大阪に越してきて最初の1月17日。
関西の1月17日らしい過ごし方ができたような気がします。