【2020東北ツアー】5日目:8月30日(日)〈福島第一原発周辺・いわき〉
そういえば、昨日の記事で結構女川に好印象を持っている感じで書いたと思うのですが、追記したいことが1点。
一昨日、宮古市田老地区で語り部ツアーに参加した時、語り部のかたがおっしゃっていたこと。
「防潮堤の役割は、避難するまでの時間を稼ぐこと」と書きましたが、それに加えてもう一つおっしゃっていました。
それが、遺体や遺品などを確保すること。
防潮堤が無かったり破壊されると、基本的に引き波で根こそぎ沖合に持っていかれるので、防潮堤がある分まだものが残るというのです。
だから、女川の「海が見える」街づくりは、海沿いの施設の痕跡は何も残らないのかもしれない、とも思いました。
思い出したことなので追記しておきます。
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昨日は石巻グランドホテルに宿泊しました。とはいえビジネスホテル。ここまで温泉宿に泊まっていたので、ビジネスホテルだと物足りなく感じてしまいます。贅沢ですね。
石巻からひたすら南下し、福島県の南端・いわき市へと向かいます。
ETCカードを持ってくるのも、レンタカー店で借りるのも忘れたので、たらたらと下道で。4時間半くらいかかりました。東北広すぎる。
国道6号線を走り、帰還困難区域も通過します。
車で福島浜通りを走るのは久々ですが、当然ながら、帰還困難区域は特に変わっていません。というか、前に来た時から雑草は生えまくり、建物は廃墟と化しています。このエリアだけ、道は通れても、その周りは除染されている以外手付かずなので、9年前から時間が止まっています。まだ「au by KDDI」の看板がありました。遠目から見えたすき家の看板は営業しているんじゃないかと思えましたが、店舗は植物に覆われていました。自動車販売店のショーウィンドウは割れたままでした。
屋外の放射線量は、1.7μSv/hで他所よりは高いのは明らかですが、とはいえノンストップで車に乗って通過するだけなので、気にするほどではないとは思います。
あ、自分で運転しているので写真はないです。
福島県いわき市
いわき震災伝承みらい館
いわき市の薄磯地区にある小さな伝承施設です。
展示も小さいんですが、やはり他で見てきたところと違うのは原発事故についての記述があることでしょうか。
宮城や岩手だとやはり主たる災害は津波によるものなのですが、福島だと津波だけではなく原発事故も関わってきます。いわきはまだ立ち入り禁止にならなかったエリアですけど。
そして、ここでは、毎週土日に「語り部講話」が行われていて、無料で聴くことができます。
それを聴くために、時間に間に合うべく、朝8時に石巻を出発したのです…。
やはり、実際に目の前で津波を見たり、誰かを助けたり、誰かを見捨ててしまったりした方の言葉は、迫力というか、突きつけてくるものがあります。
どんな施設の展示よりも、どんな遺構を見るよりも、やはり生々しくて、苦しいものでした。
ただ、本人が話が上手いというのもあって、「講話」として完成されすぎていてリアリティがないな、と思いました。でも、話の中で本人も「不思議なことがたくさんあった」とおっしゃっていたので、本人も自分の曖昧な記憶にリアリティがないのかもしれません。
現地を見るのと同じくらい、当事者の話を聞いてみることも大事ですね。新たな視点を与えてくれます。
ライブいわきミュウじあむ
いわき・ら・ら・ミュウという観光物産施設の中に、小さい展示スペースがあり、そこでも震災関連展示が行われています。とはいえ、2013年に開催した展示をそのまま残しているようで、基本的には7年前当時の情報しか載っていませんでした。
ただ、避難所の様子とかについてはあまり展示で見かけなかったように思うので、そういう視点も必要だよな、と改めて感じました。
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明日で最終日、でも何箇所か回るつもりなので、
今年の旅は初めて、毎日何かしら書くことがあります。
いよいよ累計走行距離が800kmを突破しました。