【2019東北ツアー】3日目:8月27日(火)〈陸前高田・大船渡・三陸鉄道(宮古以南)〉
朝、気仙沼駅の駅舎周りを物色していたら、待合室にこんなものを見つけました。
昨日言っていた、BRT専用道を作るといいことがあるよ、って話。ジオラマにして解説されていました。専用道の横の道が渋滞していました。
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ホームで隣に座っていたお母様方に、どこから来たのか尋ねられました。「東京から、3回目です〜」と言ったら、色々聞いてくださったのですが、僕かて大して詳しいわけではないので、「どうなんでしょうね〜」とはぐらかしてしまいました。「バスなの!?」と驚いてらっしゃったので、BRTの意味は教えてあげました。
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岩手県陸前高田市
1年半ぶり、陸前高田です。
前回の陸前高田(+大船渡)は↓
奇跡の一本松周辺
奇跡の一本松・タピック45・下宿雇用推進住宅と、陸前高田市の海沿い震災遺構3つがあるエリアは、復興祈念公園として整備される、というのは前回来た時の情報。
BRT「奇跡の一本松駅」を降りてすぐ、めちゃくちゃかっこいい建物が目に入ってきました。
「東日本大震災 津波伝承館」、今年の9月22日にオープンするそうです。商業施設・震災に関する展示が一つになった施設だそう。
この建物、そしてその周りの祈念公園の工事が急ピッチで進められていました。堤防が綺麗にカバーされ、芝が植えられ、公園の形が見えてきている感じがしました(でも公園の方は9月には間に合わなさそうだけど)。
やはり夏休みということもあってか、前回は他に二人しかいなかった一本松の見学者も、家族連れや若者など結構いました。小学校6年生くらいの女の子が父親と二人で来て、「遠近法で一本松をつまんでいるように見える写真」を撮っていました。うーむ。やっぱり過度な観光地化には若干の抵抗というか、違和感を覚えざるを得ないのです…。
奇跡の一本松は海沿いなので、陸前高田の市街地中心部からは少し離れたところに位置しています。
というわけで、そこから歩いて25分ほど、陸前高田駅周辺を目指します。
前回来た時は盛り土用の土が置かれていた海沿い部分、すっかり田んぼになっていました。やはり緑だと綺麗に見えます。
国道45号線など、道路は全体的に嵩上げ・舗装が済んでいました。だいたい5mくらいでしょうか。
高田松原交差点(津波伝承館の目の前)から直接陸前高田駅の方へ向かえる道は工事で通行止めだったので、少し東側を迂回する形になりました。
海から山方向に伸びる道「シンボルロード」にはこんなものが。
このあと、ハナミズキが植わるのでしょう。しかし、『2011年3月11日 東日本大震災と名付けられたその日〜』という表現は、とても震災が過去のことに感じられますね…。
海沿いの土地は基本的に居住地にすることはできず、あまり嵩上げもされません。農地や公園だけでなく、運動場の整備も行われているようでした。
陸前高田駅周辺
前回は工事でめちゃくちゃだった区画・道路、綺麗に整理が完了していました。
陸前高田駅のロータリー(というかBRTなのでロータリー自体が駅なのですが)もとても綺麗です。
色々なところで言えることなのですが、建設されたのが2010年代なので全体的にデザインが現代的でかっこいいです。そこだけ切り取れば、ですが。
陸前高田駅の隣では「陸前高田アムウェイハウス」が建設中でした。どうも隈研吾っぽい建物だなぁ(=かっこいいなぁ)と思っていたら、案の定隈研吾氏の設計でした。高輪ゲートウェイ駅を木造にした感じ。伝わりますかね?
さらにその隣には、仮設の「陸前高田復興まちづくり情報館」が。地元の小学校3年生が社会科見学に来ていました。横から眺めていたら、みんなリアクションが新鮮だったので、他地域から来たのかな?と思いましたが8〜9歳(2010・2011年生まれ)ということは、震災を覚えてない世代だもんなぁ…。僕が出る頃には高校生の団体も来ていました。
震災・復興の経緯の展示はもちろん、復興祈念公園のコンセプトシートなんかも貼ってありました。中でも、個人的に興味深かったのは、陸前高田といえば!のベルトコンベアによる土砂運搬工事の解説ジオラマ。物凄いことをしていたんだな、と改めて思いました。奇跡の一本松の近くに散在していた謎のコンクリートはその基礎がそのままにされているのだと初めて知りました。
アバッセたかた
前回中を見られなかったアバッセたかたにも行ってみました。駅の目の前にある商業施設です。スーパーマーケットや洋服店などが入っています。
それだけではなく、陸前高田市立図書館も併設されていました。
この図書館のインテリアがまたかっこいいし、隣にはカフェがあって持ち込みもできます。蔦屋書店よろしく、コーヒーを飲みながら読書なんてことができます。進んでる。
アバッセたかた周辺一帯は商業用地のような感じで、他にもポツポツとお店があったりします。子どもが遊べる広場なんかもあります。
中心市街地の復興はもう少し、という感じでしょうか。アバッセたかたの駐車場には結構な数の車が止まってましたし、それなりに人は住んでいるのではないだろうか…。
岩手県大船渡市
こちらも1年半ぶりの大船渡。
駅を出てすぐにある「大船渡市防災観光情報センター」が完成していました。
ここも、気仙沼のような地域公共施設に震災の伝承展示がくっついたような感じでした。そんなに大きな展示はないです。
その屋上からは、大船渡の町が見渡せます。
こう見ると、大船渡の町の復興はやれるところまでやったのでは?というようにも見えます。防波堤もほとんど完成しているようですし、大船渡駅前は商業施設が立ち並んでいます。
ただ、一方、駅の北側を見ると、空き地が目立つのですが、これ以上何かで埋まっていくともなかなか考え難いような…。
三陸鉄道リアス線
みんな大好き三陸鉄道、もともと久慈〜宮古間の北リアス線・釜石〜盛間の南リアス線からなる鉄道路線でした。が、今年の3月に、復旧が遅れていた宮古〜釜石間の旧JR山田線区間の復旧作業が完了し、三陸鉄道に移管され、3区間をつなげて久慈〜盛間を三陸鉄道リアス線として運行することになったというわけです。
前回来た時は、釜石までしか乗らなかった上、南リアス線時代だったので、全線開通後くるのは初めてです。
三陸鉄道は、かなりの区間がトンネルなので、イメージほど景色を見ることはできないのですが、絶景ポイントでは車内アナウンスで説明してくれたり、減速してくれたりと観光向けのサービスが手厚い路線です。まあ天気が悪かったのでろくに何も見えなかったのですが。
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今日思ったのは、防潮堤の多さです。
当然と言えば当然なのですが、リアス海岸の湾の部分に沿うようにひたすら防潮堤が建てられているので、湾を遠目で見ると「山・コンクリ・山・コンクリ…」の景色がずっと続きます。
陸地でも、基本的に海沿いを歩く時は海を見ることはできません。
4年前、気仙沼のホテルに泊まった時、支配人さんが
「防潮堤で海が見えなくなるのが寂しい」
と語っていたのを思い出しました。
あれだけの防潮堤を整備して、海が見えなくなって、どれだけの予算が投じられていて、どれくらい防げるのだろうなぁと考えると、なかなかなんとも言えないなぁと思いますね。
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明日は、宮古と久慈です。
が、かなりの雨予報です。
浄土ヶ浜に行きたいのです。