東北旅の記録

毎年東北に行こうと思っているので、その変遷を書き連ねたいと思います。

【2019東北ツアー】6日目:8月30日(金)〈仙台〉

本日最終日。

なぜ昨日の記事がないかというと、

青森のホテルで起きて、青森駅近くの「ワラッセ」でねぶたの迫力に圧倒され、陸奥湊駅前にある「みなと食堂」の平目漬丼に舌鼓を打ち、仙台まで南下しただけだったからです。そんなヌルい記事は残す必要すらない。

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宮城県仙台市

09:15 仙台 →(仙台市地下鉄東西線)→ 09:28 荒井

09:44 荒井駅前 →(仙台市バス)→ 09:59 旧荒浜小学校

 

震災遺構・旧仙台市立荒浜小学校

というわけで、今年も荒浜小学校に行ってきました。前回とまるっきり同じスケジュール。

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観光バスがいっぱい来ている荒浜小学校

荒浜小周りは基本的に変化はなく…気持ち錆が進んだかなぁくらい。

しかしまあ人が多かった。ふつうに、朝から車で結構な人が訪れていました。帰り際には外国の方々ともすれ違いました。あ、そういえば、外国語のパンフレットはこれでもかというくらい充実されていました。素晴らしい。

それに加えて、地元の小学校3年生の社会科見学、お偉いさんたちの視察、何かしらの協定だかなんかの記者会見などなどもあり…。お陰で、前回は聞けなかった説明を聞くこともできました。

外国の方は、これをみてどんなことを思うのでしょうか。子どもたちはどんなことを思うのでしょうか。

 

震災遺構・荒浜地区住宅基礎

この8月に、荒浜小学校周りの荒浜地区で流された一部の住宅の基礎が、震災遺構として整備されて公開されました。前行った時は野ざらしになってただけでしたが、その時聞いた職員さんの言葉通り、しっかりと「震災遺構」になっていました。

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草原が広がる荒浜地区の一角に、柵で囲まれた住宅基礎群、そして「祈りの塔」があります。

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祈りの塔

それらの前には、津波の威力や復興の経緯を伝える解説板が設置されています。

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それはまるで、屋外美術作品を見ているかのようで…

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そう、私はこれらをみたときに、春に行った養老天命反転地を思い出していました。

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養老天命反転地

養老天命反転地は、「作品」として、傾いた建造物やらが並んでいるわけです。私はそれをみて、「異世界に来ているようだ」と思いました。なぜか。普通はありえないから。誰かがそう作ったから。

 

ところが、僕が今日「似ている」と感じた荒浜地区の住宅基礎群は、決定的に違う。自然の力でそうなったにすぎないのです。作品なんかじゃない。

 

異世界

 

普通に考えたらそんなこと起こるはずもないわけです。家の基礎が傾いて自然に突き刺さっているなど、人為的にそうしなければ。しかし目の前の光景は、人が自然に負けた結果そのものであったわけです。実際に地震があって、津波があって、そうなったのです。

 

私は去年、今年と被災地をみて回りましたが、見れば見るほど、あの津波が本当にあったこととは思えなくなってきます。

防潮堤で固められた湾の周りも、草とコンクリートしか残っていない海沿いも、10mも土が盛られている様も、「JR大船渡線」なのにバスが走っている光景も、明らかに異様で、信じがたいのです。

 

しかし、荒浜小学校で上映されている映像を見て、色々な写真を見て、話を聞いて、それは確かに起こったことだと、改めて、それが事実だと。

その上で、亡くなった人、復興の工事に勤しむ人、必死に立ち直る人がたくさんいると。

起こった事実を、真っ向から、突きつけられもするのです。

 

それが事実であるために、ありつづけるために、私たちは本当に自分たちが生きている時代に起こったことだと覚えていなくてはならないのです。

 

でも、それはそれとして、単に、東北は楽しいところだから、好きだから、私は旅行に行くのです。夏はウニが美味しいから、景色が綺麗だから、『あまちゃん』のロケ地だから、行くのです。

そう考えると、東北を好きになったということにはとても意味があるな、と、改めて旅を振り返って思うのです。

 

じゃあ、昨日の記事を書いても良かったのではないかという話。ヌルくてもな。

 

さあ、次の旅行先に東北はいかがですか?

とてもとても、いいところですよ。